サーチュイン遺伝子とは何か? 長寿遺伝子なのはホント?嘘?

サーチュイン遺伝子とは何か? 長寿遺伝子なのはホント?嘘?


こんにちは齊藤です。

今回のテーマはサーチュイン遺伝子とは何か

・長寿遺伝子であるのは本当なのか?
・その他のサーチュイン遺伝子の働きについて
・サーチュイン遺伝子の活性化の方法について

前半部分では、サーチュイン遺伝子で長寿になるのか?後半部分では、日常生活でのサーチュイン遺伝子を活性化させる方法を解説できればと思います。

サーチュイン遺伝子が人間の寿命を延ばす、長寿遺伝子なのは嘘?

サーチュイン遺伝子が『長寿の遺伝子である』とか、『寿命を延ばす』とかいろいろな情報が出ておりますが、これは本当なのでしょうか?

研究の結果などをもとに考えていきたいと思います。

サーチュイン遺伝子はヒトの寿命も延ばす可能性を持った遺伝子である!


結論から言いましょう。

サーチュイン遺伝子は人の寿命も延ばす可能性を持った遺伝子であると言えましょう。

サーチュイン遺伝子の存在が嘘ではないかと言われている1つの理由として、2000年代のショウジョウバエや線虫の寿命が伸びたとされる研究などが2011年に1度否定されたことが影響していると思われます。

後に、研究の条件などの違いにすぎないとわかり現在では解決された問題となっておりますが、印象には残りやすいですよね。

これ以降は主に哺乳類を対象にした研究結果が報告されており、2014年の「THE EMBO JOURNAL」に掲載された論文によると、哺乳類であるネズミ対象にしたもので、サーチュイン遺伝子を活性化させた方のネズミの最大寿命はおおよそ20%も伸びていたと報告されています。

この論文により、寿命をコントロールするサーチュイン遺伝子の働きが改めて明らかとなりました。

ただし、人間を直接被験者とした寿命に関する研究は実施されておらず、人間の体に対する作用の解明については研究の真只中であります。

しかし、人間と同じ哺乳類での研究結果でこのような成果が出ていることから、人間においても寿命が伸びる可能性があると十分に期待できます。今後の臨床研究に注目です!

サーチュイン遺伝子が長寿以外に期待されているはたらき

サーチュイン遺伝子は体内の老化をコントロールする働きを持ち、長寿以外にもこのような働きを持つと期待されております。

期待されている働きについてまとめました。

 体内の老化をコントロールする。
・動脈硬化
・アルツハイマー型認知量
・骨粗しょう症
・筋肉の衰退
・酸化ストレス
・がん など

上記のように、サーチュイン遺伝子の働きは、目に見える、すぐに実感できるものではありません。

しかし、長期的に見て体内の負担(ストレス)を軽減する、よい働きを持つ遺伝子あるとわかっています。

では、サーチュイン遺伝子を活性化させ、その恩恵を受けるためには日常生活の中でどのようにしたらよいのでしょうか?

サーチュイン遺伝子を活性化させるには、NADを増やすことがポイント!


サーチュイン遺伝子は体の中のNADの濃度を増やすことによってより活性化することがわかっています。

では、体内でこのNADという物質を増やすためにはどのようにしたらよいか見てみましょう。

NADについて詳しくはこちらのブログで

体内のNAD量を増やすにはどのようにすればよいか?

NADを増やす手段としては現時点では3種類あると考えられています。

1.空腹の時間を作る・糖質の制限をする。
2.有酸素運動などの適度な運動をする。
3.レスベラトロールやNMNを摂取する。  

空腹な時間を作る・カロリーを絞る。


実は糖質制限や空腹の時間を作ることによって、体内で利用できない還元型NADHが利用できる酸化型のNAD+へと変換され、細胞内のNAD+の濃度が高くなるためです。

実は空腹の時間を作ることが手っ取り早く、お金もかからないでNADの量を増やし、サーチュイン遺伝子を活性化できる方法なので、この方法は試す価値があると思います。

有酸素運動をする。


有酸素運動ではカロリー(糖質)を消費しますので、上記の糖質制限同様に、NADを増やす1つの方法と考えられています。

有酸素運動は、体へのダメージ源である酸化ストレスを軽減できるともいわれていますので、体にとって適度な運動は非常に大切です。

まずは、ランニング(ジョギング)は20分、ウォーキングであれば40分くらいを目安に実施してみましょう。

レスベラトロールやNMNを摂取する。


赤ワインに含まれているポリフェノールの一種である「レスベラトロール」には、サーチュイン遺伝子を活性化させる作用があると言われております。
サプリメントとしても販売されているため気軽に摂取することができます。

また、NADはニコチンアミド(ナイアシン)というビタミンからNMN(ニコチンモノヌクレオチド)を経由して作られます。

日本では、NMNは食品へ区分が変更されたこともあり、サプリメントとして摂取できるようになりました。

少し高額になりますが、クリニックでは点滴で補給できます。NMNを摂取することによってその量に応じNADの濃度が増えることはわかっていますので、これもNADを増やす手段の1つとなります。

まとめ


サーチュイン遺伝子は、寿命や老化をコントロールする働きを持っている。

サーチュイン遺伝子を活性化させるポイントは3つ

・空腹の時間を作ること、カロリー制限をすること
・適度な運動をすること
・レスベラトロールやNMNを摂取する。 

参考文献

Absence of effects of Sir2 overexpression on lifespan in C. elegans and Drosophila. Nature 2011 Sep 21;477(7365):482-5. doi: 10.1038/nature10296. SIRT2 induces the checkpoint kinase BubR1 to increase lifespan. The EMBO Journal (2014)33:1438-1453 

長寿遺伝子 Sirt1 について 大田 秀隆 日老医誌 2010;47:11―16 

Exercise training promotes SIRT1 activity in aged rats Nicola Ferrara Rejuvenation Res. 2008 Feb;11(1):139-50. doi: 10.1089/rej.2007.0576. 

Increased expression of BubR1 protects against aneuploidy and cancer and extends healthy lifespan. Darren J Baker 2013 Jan;15(1):96-102. doi: 10.1038/ncb2643. Epub 2012 Dec 16. 

mTORC1 and SIRT1 Cooperate to Foster Expansion of Gut Adult Stem Cells during Calorie Restriction  Masaki Igarashi VOLUME 166, ISSUE 2, P436-450, JULY 14, 2016 

NAD+代謝・サーチュインと幹細胞老化 五十嵐 正樹 生化学 第 89 巻第 4 号,pp. 555‒558(2017) 


Supplementation with Red Wine Extract Increases Insulin Sensitivity and Peripheral Blood Mononuclear Sirt1 Expression in Nondiabetic Humans Munehiro Kitada Nutrients 2020, 12(10), 3108 

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執筆

薬剤師:齊藤 桂丞

■経歴:慶応義塾大学薬学部卒業後、調剤薬局に薬剤師として勤め、研修認定薬剤師を習得。2022年よりぺブルコーポレーション株式会社に入社

■自己紹介:健康や薬、ヘルスケアなどの情報をわかりやすくお伝えしていこうと思います。微力ながら、薬剤師としてみなさまの健康や生活へお力添えができればと思いますので、よろしくお願い致します。

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